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千葉地方裁判所 平成5年(わ)425号 判決

本店所在地 千葉県船橋市本町六丁目二一番一八号

法人名称

セイント物産株式会社

代表者住所

同県習志野市谷津二丁目二〇番一二号 ジュネスハイムA棟二〇三号

代表者氏名

永田弘

本籍 同県船橋市海神四丁目三七七番地

住居

同士本町六丁目二一番八号

職業

無職

氏名

大数加蕃信

生年月日

昭和一九年六月二七日

主文

被告人セイント物産株式会社を罰金四〇〇〇万円に、被告人大数加蕃信を懲役一年六月に各処する。

被告人大数加蕃信に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(犯罪事実)

被告人セイント物産株式会社(以下「被告会社」という。)は、千葉県船橋市本町六丁目二一番一八号に本店を置き、パチンコ店の経営等の事業を営むもの、被告人大数加蕃信(以下「被告人」という。)は、被告会社の実質的経営者として、その業務全般を統括していたものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一  平成元年四月一日から平成二年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が二億二八〇四万一二八三円であったにもかかわらず、売上の一部を除外するなどの方法により所得の一部を秘匿したうえ、同年五月三一日、同市東船橋五丁目七番七号所在の船橋税務署において、同税務署長に対し、被告会社の所得金額が一億六五五〇万六〇八四円で、これに対する法人税額が六五一六万一八〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額九〇一七万五八〇〇円と右申告税額との差額二五〇一万四〇〇〇円を免れ、

第二  平成二年四月一日から平成三年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が三億二八七八万三八〇七円であったにもかかわらず、前同様の不正の行為により所得を秘匿したうえ、同年五月三一日、前記船橋税務署において、同税務署長に対し、被告会社の所得金額が二六一七万三四六〇円で、これに対する法人税額が七二〇万九五〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一億二〇六八万八三〇〇円と右申告税額との差額一億一三四七万八八〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

全事実

一  被告人大数加蕃信の公判供述、検察官調書(検察官証拠請求番号乙22、23、24)、大蔵事務官調書(乙1、2、3、5、6、7、8、9、11、14、15、16、17、18、19、20)

一  永田弘の大蔵事務官調書(甲9)

一  山﨑保(甲7)、笹沼一久(甲14)、井上次男(甲15)の各検察官調書

一  桑原正の検察官調書(甲13)、大蔵事務官調書(甲11、12)

一  伊藤健三(甲16、17)、柿澤史郎(甲18、19)、山下直光(甲20)、西村和子(甲21)、江沢徳重(甲23)、清水洋子(甲24)、堀田淑佳(甲26)、清藤真美(甲27)、小原幸子(甲28)、穂刈美左子(甲29)の各大蔵事務官調書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料(甲32)

一  検察事務官作成の資料作成報告書(甲4)、電話聴取書(甲5)

一  登記官作成の登記簿謄本(甲6)

第一事実

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(甲2)

第二事実

一  被告人大数加蕃信の大蔵事務官調書(乙4、10、11、13)

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(甲3)

(法令の適用)

一  罰条及び刑の選択(各事実とも)

被告会社 法人税法一六四条一項、一五九条一項、情状により同条二項

被告人大数加蕃信 法人税法一五九条一項、懲役刑選択

二  併合罪の処理

被告会社 刑法四五条前段、四八条二項

被告人大数加蕃信 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い第二の罪の刑に法定加重)

三  刑の執行猶予

被告人大数加蕃信 刑法二五条一項

(検察官 片岡敏晃、被告会社弁護人 桃谷一秀、被告人大数加弁護人 坂入高雄 出席)

(求刑 被告会社罰金四六〇〇万円、被告人懲役一年六月)

(裁判官 半田靖史)

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